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緑の保全や活用に対する各種支援制度はどの自治体にもあるけど、上手く活用されていないことが課題となっています。世田谷区では、既存の制度をリニューアルして、新しい取り組みが行われています。今回は、世田谷での取り組みについて、浅海氏と木村氏にお話しを聞きました!
■既存の制度を使いこなす! speaker 浅海氏
(一財)世田谷トラストまちづくりの浅海氏からは、4つの制度の事例紹介がありました。
①三軒から始まるガーデニング支援制度
多くの自治体には、花苗を配布したり花を植える活動を支援する様な制度がありますが、上手く活用されていないのが現状です。そこで、既存の制度をうまく使いこなした事例がこの「三軒から始まるガーデニング支援制度」!
ご近所三軒以上が集まると、自宅のお庭の手入れに関する3つの支援メニューが2年間受けられます。支援の1つは、ガーデニングアドバイザーの派遣。2つ目は、緑化資材購入のための助成。3つ目は、財団助成だけでなく、世田谷区が行っている生垣助成等の緑化制度への橋渡し。単に花苗を配るのではなく、ご近所のコミュニティを作りながら、まちの景観が良くなる素敵な制度です。
②市民緑地制度
300㎡以上の緑地のオーナーと世田谷トラストまちづくりが契約を結び、365日緑地を一般公開する制度です。国の都市緑地法に基づいて運用されていて、複数の自治体で導入されています。
③小さな森制度
市民緑地制度の対象にならない小さな緑地を保全するにはどうしたらいいのか?そこで出来た制度が「小さな森制度」です。個人のお庭を世田谷トラストまちづくりに
登録してもらい、オープンガーデンの開催を支援しています。
④地域共生のいえ
近年、都心などで空き家や空き庭が増加し、大きな問題となっています。そこで、自宅やお庭をまちにひらき、地域交流やまちづくり活動を支える場を生み出すために始まった事業が、「地域共生のいえ」です。現在世田谷区内に16ヶ所開設中です。
■区が担う制度とは? speaker 木村氏
世田谷区役所の木村氏からは、世田谷区として行っている支援制度を紹介いただきました。 世田谷区は、みどり率33%を目指して市民活動を応援しています。 3人以上のグループをつくると花苗が支給される花づくりの制度、 生垣・シンボルツリー・壁面緑化などへの助成、保存樹林・樹林地の指定など、 既存の仕組みをうまく活用してもらえるように工夫しているそうです!
■民有地の使いこなし方は自由自在♪
参加者との意見交換では、都市公園法に縛られない民有地の使いこなし方について 活発に意見が交わされました! 果樹やハーブを植えて楽しみたいけど、最低限のルールは必要。 民有地で活動を続けるためには、運営資金を稼げる仕組みをつくらないとダメ。 普段の活動で抱える悩みを参加者とともに共有する機会になりました。
今回のセッションでは、制度をつくる側、使う側の両方からたくさんの意見がでました。
特に印象深かったのは、制度はただ作るだけでは意味がないという意見。
制度を市民が使いこなしていくためには、それをバックアップする仕組みが必要であり、 バックアップする中で生まれた問題を解決するために、制度を変えたり新たにつくるような 柔軟さが制度をつくる側には求められているとわかりました。