萌芽更新で再生した図書館裏の雑木林
■萌芽更新により雑木林が再生!
福生萌芽会設立のきっかけは、市報に掲載されたボランティア募集でした。福生市は、平成14年4月に、豊かな生態系を育む雑木林の再生を目指して、萌芽更新を実施するボランティアを募集。集まったボランティアによって、6月に福生萌芽会が発足しました。 地域住民との意見交換や、学識経験者による生態調査などを経て、平成16年に文化の森の90本の木を萌芽更新のために伐採。伐採は、林業経験者の指導を受けながら、メンバー自身で行ったそうです。樹齢が50年を超える木が多く、萌芽率は30%ほどと低い結果になりましたが、実生からたくさんの木々が成長し、雑木林は若々しく生まれ変わりました!伐採した木はシイタケの原木として活用され、毎年たくさんのシイタケが収穫されます。 雑木林の木を切ることに対する住民の理解は得られるのか、経験のないメンバーが木の伐採を行うことができるのか・・・。様々な不安を抱えながら挑んだ萌芽更新だったと言います。「なぜ木を切る必要があるのか?自然を大切にすべきだ!」などの意見もあり、そのたびに萌芽更新についての説明を丁寧に続けたそうです。そのかいがあり、伐採から10年が経過した今では市民の理解も得られたばかりでなく、市民による萌芽更新成功の事例を学ぼうと、都内の市民団体などが視察に訪れます。
雑木林の中では、萌芽更新によって大きく育った木々をあちこちに見ることができます。 会の方針は「雑木林のことは雑木林に任せる」ということ。大規模伐採後は、樹木の手入れはほとんど行わず、下草刈りや枯損木の伐採を中心に活動しています。
■活動は「ご近所さん」のコミュニケーションの場
福生萌芽会のメンバーは40~90歳代の32名。毎月第2土曜日を活動日として、文化の森に集まってお手入れを行います。この日は20名程で、図書館裏の草刈りをしました。90歳のメンバーも笑顔で元気に草刈り開始(画像)。活動には福生市役所の担当者も参加しています。おそろいの緑の帽子は市が提供しているそうです。 途中、落ち葉溜めにカブトムシがいないか?と男性陣が目をキラキラさせて探し出したり、差し入れのお団子をほおばったりと皆さんとっても自由! 「福生萌芽会は、司令官がいないから楽しいんだよ」とニコニコされていました。 福生萌芽会のメンバーは、全員が徒歩や自転車で文化の森に来ることができるご近所さん。 ご近所さんのコミュニケーションの延長として活動されている方も多いといいます。 地域に根差した温かさが、福生萌芽会の魅力だと感じました。
■活動予定
福生萌芽会活動日:毎月第2土曜日午前中
お問合せ先: 042-551-1985(福生市 都市建設部 施設課公園グループ)
※『福生萌芽会』は2011~2013年度「東京の緑を守ろうプロジェクト」の助成団体です。
助成金は、機材などの購入に使用され、文化の森の保全に役立てられました。