みんなが育てた苗で、雑木林を元気に!
■団体設立のきっかけは雑木林塾
現在、カニ山の会のメンバーは10名ほど。団体設立のきっかけとなったのは、雑木林塾(現在は雑木林ボランティア講座)です。これは、調布市が主催し、市民団体である「ちょうふ環境市民会議」が企画・運営を行っている講座で、雑木林に関する基礎知識を習得することを目的として開催されています。
カニ山の会が設立された2005年当時、調布市には雑木林の保全団体が少なく、雑木林塾卒業生の活動の場が限られていました。そこで、卒業生達は、自分たちで活動場所を探すことを決意。緑豊かな雑木林があるカニ山を活動場所に決め、カニ山の会を設立しました。カニ山は市有地のため、調布市とカニ山の会が協働して保全活動を行っています。メンバーは、鳥に詳しかったり、昆虫に詳しかったりとそれぞれに得意分野があり、それを活かしながら楽しく活動しています。月に一度、雑木林の手入れをするために集まるほか、地域の方々に雑木林に親しんでもらうためのイベントも開催しています。
■一日中雑木林で遊ぼう!!
秋に行われたイベント「バッタが跳び出す草刈り&ポット苗づくり」には、スタッフと参加者総勢16名が集まりました。まずは、カニ山の草刈りからスタート。 草刈りをしていると、バッタやコオロギなどが草むらから跳び出してきて、子ども達は大はしゃぎ! 昆虫に詳しいスタッフを囲んで、即興の昆虫教室が始まりました。 子ども達が持参した虫かごは、すぐにバッタでいっぱいに。
続いてエゴノキの伐倒を体験。立ち枯れたエゴノキを、参加者全員でのこぎりを使って伐ります。 子供だけでなく大人も、なかなかできない体験に目をキラキラさせていました。 安全に配慮し、参加者が切るのは木の表面部分。木を伐倒する作業はスタッフが行いました。
ランチタイムは、みんなで伐った木を使ってジャンボブランコを作成。 これが子供たちに大人気!! 木に紐を括り付けた簡単なものですが、アニメの世界のようなブランコにみんな夢中でした♪ 午後は、生き物に関する質問タイムと、伐り出した竹を使った竹ポットづくり。ポットには、カニ山で採れた木の種を植えて参加者に持ち帰ってもらいます。家で苗を育てて、大きくなったらカニ山に植樹する予定です。 参加していた小学生に話しを聞くと、「虫採りができる雑木林が大好き!前にもイベントに参加したんだよ!」と楽しそうに答えてくれました。一日中雑木林の中で自然とふれあって過ごすイベントは、子ども達に自然の大切さや楽しさを伝える機会となっています。
■みんなが育てた苗で、雑木林を元気に!
カニ山では、イベント作った竹ポットに雑木林で拾ったドングリを植え、家に持ち帰って育ててもらう「どんぐりのもりづくり」活動を行っています。地域みんなで育てた苗は、カニ山の一画でさらに数年間成長させ、その後雑木林に植樹します。各家庭で育てられた苗がカニ山を元気にするこの活動は、地域の方々が雑木林を身近に感じるきっかけづくりとなっています。子供たちが今日も一生懸命育てている苗が、将来雑木林で大きく育つ日が楽しみです!
※『カニ山の会』は2011~2013年度「東京の緑を守ろうプロジェクト」の助成団体です。