地域の里山文化、残された自然環境を後世に受け継いでいく

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多摩ニュータウンの西に位置する20ヘクタールほどの八王子市長池公園には、多摩地域ならではの雑木林が広がっています。その中に、里山の原風景が再現されているエリアがあり、田んぼや畑、炭焼き小屋などが整備されています。ここをフィールドに活動しているのが「長池里山クラブ」です。

「長池里山クラブ」は都市基盤整備公団(現UR都市機構)が試行的に始めた里山活動がきっかけとなり、平成12年に発足した団体です。今では地域住民主体の活動に移行しました。周辺の多摩ニュータウンにお住いの方々を中心に、小さな子どものいる家族から70代以上の方まで、里山の文化と自然を次の世代に受け継ごうと、さまざまな活動をされています。

■雑木林を中心とした里山循環の活動を実施

年間通して、田んぼの管理や畑での作物の栽培を行い、収穫した物を使って収穫祭を実施し、自然の恵みを感じる活動を行っています。雑木林では、雑木林を16区画に分け、毎年区画を変えて萌芽更新を進めています。雑木林の落葉は畑の肥料として使い、伐採した木は炭焼きの材料に使用する里山循環の活動を行っています。

炭焼き小屋

■里山を楽しむことが大切!!

事務局長の赤羽誠さんによると、日々の活動の原動力は、里山を楽しみつくすこと!春は田んぼで泥んこ遊び、夏は掘ったジャガイモでカレーづくり、秋は炭焼き小屋で焼いた炭で秋刀魚を焼き、冬は収穫したもち米で餅つき・・・。見て、食べて、遊んで里山の自然をお腹いっぱい楽しめる活動が盛りだくさんとのこと。

毎週の活動日には、活動場所でとれたお米、栗、野菜で作ったお昼ご飯を囲み、会員がリラックスして交流できる時間をとっています。夏の流しそうめんのイベントでは、参加者と一緒に田んぼの案山子(かかし)を作りました。これからも「楽しみ」を大切にしながら地域の原風景を守る「長池里山クラブ」。ぜひみなさんも、会のイベントなどに足を運んでみてください!

事務局長の赤羽誠さん

※『長池里山クラブ』は2014~2016年度「東京の緑を守ろうプロジェクト」の助成団体です。助成金は、機材の購入などに使用され、雑木林更新を核とした里山循環の実践に役立てられました。