知っていますか?武蔵野市で唯一の雑木林『独歩の森』

緑保全に関するシンポジウムが行われました。
今回は、シンポジウムの内容をレポートします。

■武蔵野市に唯一残る雑木林

武蔵野市に唯一残る雑木林武蔵野の森を育てる会が保全活動を行う「独歩の森(武蔵野市境4-5、武蔵野市立境山野緑地の南半分を占める)」は、武蔵野市の中で唯一、まとまって残る市所有の雑木林です。江戸時代に作られた「武蔵野の雑木林」は、木を燃料とするために定期的に伐採し、切り株から出る萌芽を育て、育った木をまた伐って再生する、という循環で環境が維持されてきました。しかし、現在では人の手が入らず、木の高木化などの問題があり、「武蔵野の雑木林」としての本来の姿が失われつつあります。雑木林を守るためには、自然状態の回復と、市民の財産として有効活用される環境づくりが重要です。そこでシンポジウムでは、都市に残る雑木林の再生に取組んでいる「清瀬の自然を守る会(清瀬市)」と「福生萌芽会(福生市)」の2団体の事例から、今後の雑木林の環境保全と活用について考えました。

■雑木林を守り、コミュニティ形成の場へ

雑木林を守り、コミュニティ形成の場へ武蔵野の森を育てる会が保全活動を行う「独歩の森(武蔵野市境4-5、武蔵野市立境山野緑地の南半分を占める)」は、武蔵野市の中で唯一、まとまって残る市所有の雑木林です。江戸時代に作られた「武蔵野の雑木林」は、木を燃料とするために定期的に伐採し、切り株から出る萌芽を育て、育った木をまた伐って再生する、という循環で環境が維持されてきました。しかし、現在では人の手が入らず、木の高木化などの問題があり、「武蔵野の雑木林」としての本来の姿が失われつつあります。雑木林を守るためには、自然状態の回復と、市民の財産として有効活用される環境づくりが重要です。そこでシンポジウムでは、都市に残る雑木林の再生に取組んでいる「清瀬の自然を守る会(清瀬市)」と「福生萌芽会(福生市)」の2団体の事例から、今後の雑木林の環境保全と活用について考えました。

■まちの中の森を残す手段・・・①住民の理解

まちの中の森を残す手段1今回事例報告した2団体は、木を伐採することに対する地域住民からのクレームに苦しんだ過去があるそうです。萌芽更新の必要性を丁寧に説明し、理解してもらえたことで、まちの中の森を再生させることができていると話されました。東京農工大学准教授の星野義延氏は、「萌芽更新をした方が生物多様性的に良い状態の森になる。木を切らないと、森に光が入らず実生が育たない。植物や動物、昆虫も減少してしまう。」と雑木林を更新する必要性を語ってくれました。

■まちの中の森を残す手段・・・②継続的な手入れ

まちの中の森を残す手段2今回のシンポジウムで実感した事は、雑木林を放置したままでは、その環境は失われてしまうということです。武蔵野に残る雑木林は、もともと人の手によって生まれ保たれてきたもの。人の暮らしと密接に結びついてきた歴史文化的な価値があります。今後、多くの方々に、継続的な手入れの必要性を周知し、活動に参加してもらう仕組みづくりが重要であると感じました。


本シンポジウムは、武蔵野に残る雑木林がいま直面している課題を正面から見据え、さまざまな事例や知見から、今後の私たちの雑木林へのかかわり方を指し示す、とても有意義な会となりました。まちの中に残る雑木林をどう育て、次世代に伝えていくか・・・。試行錯誤をしているすべての方々へ、聴いていただきたい内容です。シンポジウムはほぼ満席で盛況でしたが、今回の内容をさらに広く普及していくため、今後報告書も作成されるとのこと。将来会議でも、PRしてまいります!主催団体のみなさま、よい機会をいただき、ほんとうにありがとうございました。